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2018.09.12|職員研修

8月27日~28日 知的障害のある犯罪行為者への支援を学ぶ研修会

 8月27日~28日「知的障害のある犯罪行為者への支援を学ぶ研修会」に職員1名が参加してきました。
◆日時 平成30年8月27日9:50 ~ 8月28日 17:00
◆場所 大田区産業プラザPIO(蒲田)
◆主催 国立重度知的障害者総合施設のぞみの園
◆後援 厚労省・法務省
◆参加 66名程度 司法関係10人程度 福祉関係56人程度
◆プログラム
8月27日 主催者あいさつ 理事長 深代敬久さま
本研修のねらいと全体構成  水藤 昌彦 さま
行政説明
「矯正・更生保護行政について」法務省
「厚生労働省の取り組み」 厚労省
【総論】 知的障害のある犯罪行為者への支援 水藤 昌彦さま
【支援プロセス1】グループワーク
「矯正施設退所に向けた支援1」 唐木・渡邊さま
8月28日【支援プロセス1】グループワーク
「矯正施設退所に向けた支援2」 唐木・渡邊さま
 【支援プロセス2】グループワーク
「矯正施設退所直後からの支援①」 関口・相馬さま
 【支援プロセス2】グループワーク
「矯正施設退所直後からの支援②」 関口・相馬さま
【支援プロセス3】
「地域生活を継続するための支援」 中川さま
【研究報告】
「当事者の視点から見た支援」 古屋さま
【総括コメント】 水藤 昌彦さま
閉会挨拶 深代 敬久さま
研修のねらい
これからの実践に役立てることのできる基礎的な知識・技術・考え方の枠組みを学ぶ
受講者がさらに他の支援者に情報提供できるようになること
福祉関係者と司法関係者の相互理解の促進
<実践的な4つの段階に即した支援の学習>
矯正施設入所前 行政説明(法務省)
矯正施設入所中 行政説明(法務省・厚労省)・支援プロセス1
矯正施設退所直後 支援プロセス2
地域生活の継続 支援プロセス3
【総論】
知的障害のある犯罪行為者への支援
ねらい:知的障害のある犯罪行為者への障害福祉領域での支援についての基本的知識を修得する
1) 知的障害のある犯罪行為者への支援の必要性
刑事施設内の知的障害者:20%以上ともいわれるが不明
短期刑、再犯者が多い
回転ドア現象 退所時支援が必要
2) 知的障害と犯罪行為の関係
社会経済・心理的要因によるプレッシャー仮説
そだちをはく奪されていることが重要
●未理解同調性:わかっていないが、わかっていないと言えず、わかったと言う
●学習性無力感:成功体験がなく、くりかえし失敗する⇒空間からの逃亡をはかる
3) 知的障害と犯罪行為を理解するためのアセスメント方法
●生物・心理・社会(BPS)モデル
 生物学的要因(Bio):疾患、障がい、気質、発達特性など
 心理的要因(Psycho):不安、葛藤、希望、希求、自己肯定感、自己効力感など
 社会的要因(Social):地域社会、家族、職場、学校、友人など本人をとりまく環境
 これらが複合的に作用して犯罪行為に至る
●個人因子と環境因子に着目したアセスメント
●リスク
 静的リスク:変化しない個人の特性など
 動的リスク:経年変化の可能性がある 介入・支援しやすい
●再犯リスク
 Big4:
反社会的行動歴
反社会的人格パターン
反社会的認知
反社会的交友関係
Central8
家族・婚姻関係
就学・就労状態
余暇活動
物質乱用
できるだけ多様な情報源からの情報収集
●退所時の限られた情報であっても、理由を明確にして仮説を立てることが重要
多くの機関が関わるので、理由を言語化して共有できるようにしておく
●リスク対応と生活の質向上の相互補完モデル
本人が満足できる地域生活の継続
●よき人生モデル
人生の目標をはっきりさせていく
どんな生活をしたいか
自分の夢
なくしたくないもの
居心地のよさ
満足度を高めたいもの
良い状態を維持する方法
●アイデンティティ転換の過程
4) 障害福祉による支援・介入にあたっての要点
人は簡単には変わらない。再犯リスクは高いことを理解しておく。矯正施設にいたから矯正されているわけではない。
●知的障害の程度と意思決定支援の関係
重度~中度:決定すること自体を支援
軽度~ボーダー:決定する過程を支援
<感想>
今回、担当しているケースの対応方法のヒントを求めて参加させていただきました。
そこで、過去にまとめられたものを紹介していただきました。
●窃盗防止の10か条
●クライシス・プラン
●グッドライフ・プラン
●新潮新書「反省させると犯罪者になります」(岡本茂樹)
著者は刑務所で改善指導に関わる教官です。
刑務所で行われている改善指導が「反省」をいかに促すか、になっていること
それが内面的な「反省」になっていないこと
ロールレタリングとして行われているもの(反省文)はやり方次第では、むしろ抑圧を生む手法であること
受刑者は刑務官に従ってよい受刑者でいかに早く仮釈されるか、が大切
「本当の自分」をだせない(ださない)まま刑を終える。
犯罪の背景になっている問題にいかに迫っていくことができるのか、そのことに本人がいかに気づくことができるのか、が大切であること
問題行動には、ほとんどの行為者に「被害感情」があること
それは普通、「人のせいにするな」といわれてしまうのだが、
その「被害感情を展開させ、吐き出させることでしか真の反省にはたどりつけない」
犯罪行為の背景には生育歴、家族関係があることが多い
そういう点にまで踏み込めないと解決できない
そのためには「否定的感情」「被害的感情」を吐き出し展開させてあげる必要がある。
それができればおのずと真の反省にいたる、ということです。
たくさんの示唆をいただきました。ありがとうございました。

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キーワード
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